夜光貝クロニクル

夜光貝(ヤコウガイ)とはそもそもどんなものか。中でも宮古島の夜光貝にはどんな特徴があるのか。ご紹介いたします。

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夜光貝ってどんな貝?

夜光貝とは、熱帯から亜熱帯のインド太平洋区に生息している古腹足目リュウテン科に属する大きな巻貝です。日本では屋久島や種子島よりも南の温かい海域で生息しています。

サザエのような姿形で、古く琉球王朝時代から食用として、また、装飾品の材料として利用されて来ました。宮古島など沖縄・九州地方では食用としてスーパーや市場などでも出会えることも。

大きく育つまでに時間がかかります

夜光貝は、一般的に直径は20cmほど。中には、重さ2kgを超える大きさのものもあります。大きければ大きいほど、夜光貝の貝殻の面積が増えますが、夜光貝の成長スピードはゆっくり。大きく育つまでには、3年以上もの月日が必要なのです。

海の神秘と月の光・太陽の光を蓄えるかのように、ゆっくりと時間をかけて成長するのです。

それゆえ、大きく成長した夜光貝であるほど、その存在は貴重であると言えるでしょう。

光らないのに光る?「夜光貝」名前の由来

ところで、夜光貝(ヤコウガイ)という漢字を目にすると、夜暗いところで光る貝なのだろうか?というイメージを持つ方が多いでしょう。しかし、夜光貝自身は光を発することはありません。

夜光貝という名前については諸説ありますが、元々はよく生息している屋久島地域一帯で採れる貝ということから古くは「屋久貝」と呼ばれていたようです。読み方は「ヤクガイ」だったそうで、その音が時代とともに「ヤコウガイ」と変化し、結果として音に漢字を当てはめて夜光貝となったのだとか。

そうはいっても、音の当て字だから・・・という理由だけで、「夜に光る貝」という漢字があてられたわけでは無さそうです。

磨くと七色に光る夜光貝

夜光貝は堅くゴツゴツした殻の裏側に真珠層を持っています。真珠層とは、主にある種の軟体動物(貝類が多いそうです)が分泌する炭酸カルシウムを主成分とする光沢物質です。名前の通り、真珠のように光にかざすと七色に輝いて見える物質です。

そのため、夜光貝の外側の殻を研磨していくと、次第に七色に輝くようになるのです。このことは、古い時代から知られていたようで夜光貝を磨いたものを材料として作られたスプーンや酒の盃などが古い遺跡から出土しています。

特に有名なものといえば、奈良県に位置する正倉院の宝物にも螺鈿(貝殻での飾り)として収められているとのことです。

宮古島の夜光貝の特徴

宮古島の海を思い起こさせてくれるような七色の輝きを持つ夜光貝のアクセサリー。それはまるで、海にゆらゆらと映り光る、月の灯りのよう。

宮古島の海で長い年月をかけて大きく成長した夜光貝の輝きは、琉球王朝時代に生きた人々のくらし、そして当時の日本の様子にも想いを馳せさせてくれます。